探偵のピストル事情

表向きは探偵だけど、実はひみつの必殺仕事人…かも!?

探偵的NVGの使い方

ナイトビジョン(以降NV)にも野鳥撮影用、狩猟用、軍用、様々なモデルがあります。

探偵がリアルに選択するのは本当は別のものなんですが、我々はタクティカル寄りの探偵なので、こんな感じのものも所有してます。

いやいや、これアレじゃん!とスタッフも突っ込んだNVGは四眼タイプのかっこいいやつ。

COD MW 4eyes Night Vision Goggle

本物は車が買えてしまうような価格なので買えません。

というわけでもちろんレプリカですが、そうは言ってもNVGとしての機能があるので実際に運用できます。

コールオブデューティーというゲームの特典か何かで限定販売されたようで、スタッフが調達してきました。

経費で落とすには微妙なアイテムだったので、監査が入るような騒ぎは御免だし、仕方なく私が自腹を切りましたが、その価値はあったゴーグルです。

実用可能なNVG

特典と言えど、2LDKアパートの家賃くらいはする高価な品。

四眼タイプとありますが、実際には二眼。ボディもプラスチックなので、触れると「あぁ、レプリカだな」と判ります。

しかし細部の調節機能やNVGとしての機能は最低限備えており、実際に使ってみると問題なく役割を果たしてくれました。

跳ね上げ可能

もちろんヘルメットへの装着も可能ですが、バンドを頭からかぶるように装着することもできます。

使用しない間は額の上に跳ね上げておく動作もできるのは実物通り。

ただし、細部のロック機構や調整機能のメカニズムが同じなのかどうかは判りません。

左右幅の調節

数字が振ってあるバーの左右端っこには"つまみ"があり、これを回すことでゴーグルの左右の幅を広くしたり狭めたりできます。

写真では右レンズを最も右に寄せた状態。

前後幅の調節

バンドの固定具とゴーグルの結合部分は、前後の幅を調節できるようになっており、目からレンズまでの距離を自由に変えられます。

かまぼこ型の固定具の両端にボタンがあり、それをつまむようにしてロックをフリー状態にしたら、目的の位置まで前後にずらすだけ。

普段からサングラス(カラーレンズ眼鏡)をかけているので、もしや使えないのでは?と思ってましたが、前後の調節ができるため、メガネをかけたままでも使えるのは嬉しい仕様。カラーレンズ越しでも見づらいということもありません。

微調整

写真の面のボディは、装着時に下を向きます。

中央あたりにあるスライド式のスイッチは、レンズの微調整のためのもの。

右ボディのように中央寄りにスイッチするとレンズが少し目に近くなり、左ボディのように外側にすると引っ込みます。

わずかに右のレンズが飛び出しているのがわかりますでしょうか?

スイッチ類

撮影角度では右のボディに見えますが、装着時は反転するためスイッチ類は左側の下部になります。手前と奥という位置関係は変わりません。

手前から「電源」「モード切替」「赤外線ライト強」という感じになります。

映画でもよく見るカラー(グリーン)がデフォルトで、モード切替を押し込むとモノクロに。

ロングレンジとある"赤外線ライト強"は、遠距離を照らしてほしい時に使います。

バッテリー式

充電式のためバッテリーがダメになったら大手術が必要になるので、嫌だなぁ…と思っているところ。

外部バッテリー式にしてくれれば、故障率も下がるし修復も容易なのに…。

USBタイプBなので電力はそこまで高くないようです。

滑り止め付きのバンド

私はスキンヘッドなので髪の毛は無く、バンドの滑り止め効果は抜群に発揮して、そのまま装着できました。

長さにもよりますが、髪の毛のある人は髪ごと滑ります。

スポーツ刈りに近い短髪なら大丈夫そうでしたが、20cm以上の長さがあるとやはり少し滑ってしまうみたいですね。

女性スタッフだと、反対にロングヘアだからこそ滑らず安定していました。

夜の会社ビル廊下

ここからは実際に使用した内容を紹介していきます。

NVGはレンズ越しと言えど、スコープとは違います。双眼鏡などはレンズの歪みを利用して「肉眼で見ている」ので、特に違和感は感じません。

しかしNVは"映像を投影している"ので、覗いているレンズの先はあくまで「映像」。

3Dゴーグルとよく似た感覚のため、違和感だらけの視界に酔ってしまう人も。

NVGが苦手なスタッフは「NVGはNG」なんて、つまらないダジャレをかましてました。

ただしカメラのディスプレイなどに写すだけのNV機能は平気な人がほとんど。スマホを見るのは平気だけど、3Dゴーグルは気持ち悪い…というのと同じ。

NV映像

ゴーグルの映像(ディスプレイ)をカメラで撮影しているため画質は悪く見えますが、実際には鮮明に見えます。

肉眼でほとんど見えない真っ暗闇でも、NVG越しでは見えているので、まぁ怖いですよね。

左右のゴーグル位置を調整して、自分の目線に合わせるのも結構重要。目の位置とレンズの位置がズレてると、より酔いやすいので、使用前にセッティングは行ったほうが良いでしょう。

また、肉眼とは距離感が変わり、0.5〜1mくらい先の映像になりますから、足元周辺はまるで見えず無防備。脇から足元にそっと接近されたら、あっけなくやられるのは想像に難く無い。

狙うのが難しい

ゴーグル越しで銃を構えるのは難しくなります。

ハンドガンを腕を伸ばして構えるぶんには「狙いにくい」以外に大きな不都合はありません。

しかし長物ではサイトのセッティングをし直さないと使えないことが多々あります。

ゴーグルの長さ自体は10cm程度ですが、目からゴーグルまでの距離も足すと15cmはあるもの。目が15cmも前に飛び出してる宇宙人状態。

当然、光学サイトにゴーグルがあたります。というかサイトを覗けません。

そうなんです。ゴーグルを付けている場合は、光学サイトなどは銃の前方寄りにセッティングしないと、サイティングできなくなってしまうデメリットが…。

通常射撃姿勢では使えない

うちの会社は元警察官、元自衛官をメインにメンバーを構成していますが、自衛隊の特殊部隊にいたスタッフは構え方が通常とは少し違います。

通常は前屈み気味〜前屈姿勢に構えると思いますが、彼らは普通に立って、そのままの姿勢でライフルを構えるようなスタイル。ご存知の方もいるとは思いますが、SEALもそういう隊員が多いですよね。

これはNVGなどのゴーグル着用時にも不都合が起きないというメリットがあるから、普段からそのようにしているのだそう。目線も上目遣いのようになるから、ゴーグルを覗けませんしね。

他にも「長時間任務で体力の消費を抑えるため」など様々な理由があります。

車内からの視覚

地元の人しか走らないような夜の山道など、ライトを消して無灯火状態で追跡しなければならない場面では、NVGは必須アイテム。

しかし、赤外線を照射するタイプのNVGは、車の窓ガラスなどでは反射してしまうため、視界が非常に悪くなり、運転はできません。

このNVGはまさにこのタイプのため、車内で起動しても窓ガラスで反射しまくって、車外はほとんど見えず、運転は不可能。

車内からの視覚

もはや何が写ってるのか判りませんよね?

これは"写真だから"というより、肉眼でも同じように"あらゆる車内のものが反射した窓"しか見えず、車外の様子は目を凝らして観察しなきゃ判らないレベル。

実物ではこのあたり、どう違うのかは判りません。

車外から車内を見る

このように車外からNVで車内の様子を伺うことはできます。

車内ではたくさんの窓に囲まれて赤外線が乱反射を起こしてしまってるものの、車外からの場合は乱反射ではなくガラス1枚の"反射"だから、透過した赤外線で車内は見えるようですね。

私の車の屋根上(ルーフ)には、黒い鉄の筒(ウォーターシャワー)やカーサイドタープ、ボックスなどが積んであり、それらが全て鮮明に見えていました。

黒いものは見づらいとか、視界の端っこはぼやけてるとか、そういうことは起きていません。

つまり、上の写真より遥かに鮮明に見えていますから、充分実用的と言えます。

明るみに近寄ると?

「遠い海から来たクー」という映画で、夜間にNVGを装備して攻撃を仕掛けてくる傭兵に、女性カメラマンがカメラのフラッシュを利用して撃退するシーンがありました。

それはわずかな光を増幅するタイプのNVGへの対処法…として使っていましたが、赤外線照射タイプではどうなるのでしょうか?

物によって違いますが、このNVGでは"暗闇から光のあるエリアに接近"するとナイトビジョン機能がカットされ、肉眼と同じ映像が映し出されます。

ランタン程度の明るさでも、上の写真くらい明るくなってくればNVカットが働くことを確認済み。

リモコンの光も見える

探偵と言えど、NVという装備品を持っているのは一部です。

高額だし使う場面も限られるので、持っていない探偵社のほうが圧倒的に多いのが現実。

では「探偵社はNVを何に使うのか?」と言えば、実は暗闇の視界確保だけではありません。

悪用厳禁のため詳細こそ書くことはできませんが、上の映像のように"肉眼では見えないものを見ることができる"から「調べられる範囲が広がる」とだけ言いますね。

体験するにはいいNVゴーグル

実物は高価でなかなか買う勇気が出ませんし、買ったとて何に使うねん!という思いが払拭できません。

しかし長物GBBを1挺買う感覚で、実際に機能するものを買えるのなら、おおいに価値はあると感じました。

感性は人によりますが、装着するとどんな感じなのか?を体験できるのであれば、多少高価でも一生の価値になります。

ましてミリタリー系を知る人なら、NVG越しの射撃や索敵なんかも体験できるのだから、そりゃもう楽しめますよ!

夜が楽しくなる

元々夜型なので夜が活動時間ではありましたが、より夜が楽しめるようになったと感じています。

家族で旅行に行けば、我が家の宿泊は宿ではなく野営と自炊なので、夜景+NVGで遊んで楽しめます。

子ども達は、なぜか花火の見え方にツボってましたし、雪の日にはゴーグル越しの景色が独特で不思議な感覚になったことも。

スタッフ達とのタクトレでも、建物内での的撃ちの際にあえて暗くしてNVGを使用し、タイムと正確さを競ったりしました。

様々なアイデアで様々な活用も遊びもできるので、これ1つで楽しみ方はだいぶ増えましたから、やはり価値がある買い物だったと言えます(^^)

流通量がかなり限られたアイテムですから見かけたら購入してみるのもオススメ。リセールも悪くないですから、飽きてから売却すれば損はないと思います。壊れなければ。笑

 

 

 

探偵仲間の会社ブログで取り上げられていたオススメの記事。

 

トイガンは護身用に使えるのか】

https://ivy-tantei.jp/4288

街中で銃を見た日本人の反応を検証。

 

【銃刀法の銃とは】

https://ivy-tantei.jp/4286

銃刀法の中の"銃"について取り上げた記事。

 

【銃のサプレッサー】

https://ivy-tantei.jp/2132

サプレッサーの構造を紐解いた記事。

 

【廃れない回転式拳銃】

https://ivy-tantei.jp/2619

なぜリボルバーは消えないのか?という記事。