20年以上も前のことですが、中3の秋頃、埼玉県川越市のケイホビーにて初めて新品の銃を買いました。
突然、銃が好きでたまらなくなった中2の春から数ヶ月でその存在を知り、1年以上も想い続けてようやく入手した銃。
シグ・ザウエルP230。
これは今も保管してある当時物。
あの時「受験シーズンだから趣味の物なんか買うな!」と言う親とのバトルを乗り越えて…いや、押し切って買った約25年前の現物です。
これだけは…と、ずっと大切に持っている年期の入った私にとっての特別品。
古すぎてリコイルなんて楽しめないので、カチャカチャいじるだけのモデルガン的使い方をしています。
それだったらインナーバレルは不要!ということで取っ払ってしまったので、暗めの場所で銃口を向けられると実銃っぽいと周りから欲しがられてました。
いや、自分の銃のインナー引っこ抜けよ。と言えば、それはちょっと…と返す奴しかいなかったから、それほどでもないんだと思いますが(^^;)笑
ちなみにマガジンは20年以上修理したことありませんでしたがガス漏れなしでした。2〜3年前に初めてパッキン交換するまで、トラブルゼロ。
ブローバックエンジンは2回、オーバーホールしつつ修理した覚えがあります。KSCのピストンカップは定期的にダメになる様子。
モデルにもよりますが、KSCは細かなところまで手を抜かないからリアル志向の人からも評価高め。
エキストラクターを別パーツで組むあたり、当時は他メーカーではほとんど見られませんでした。
この銃のガッカリポイントはファイアリングピンが無いところくらいじゃないかな。ほぼ100点満点に近いトイガンです。
KSCという会社ロゴもテイクダウンレバーの下に隠すなど、配慮も完璧!
実銃は9mmが普及していくタイミングで完成してしまった380ACP弾仕様。
ショートリコイルシステムのない設計なので、どう頑張っても9mm仕様には変更できません。耐久性に難が出てしまいますからね。
そんな可哀想すぎるタイミングで時代に乗り遅れたP230。
P230JPは日本警察のお偉方の意向により32ACPにパワーダウン。9mmクルツ(380ACP)で過剰だと判断するなんて正気ですか?笑
デコッキングできるならセフティいらなくね?いざという時、セフティ解除してからダブルアクションで撃つの?というごもっともなコンセプトから生まれたP230。
だけどJPモデルはあろうことかセフティ付けてる意味不明仕様。全然危機感ない人向けですね(^^;;
ちなみに海外の一般市場でもJPモデルは買えるそうですよ。通常版はP230の後継モデルのP232が最近まで製造していたそうですが、2015年にとうとうカタログ落ちしました。
当時、日本中を虜にした"踊る大捜査線"がブームMAX。
ドラマ内では後半にニューナンブが登場し、犯人はデトニクスで横打ち。地味ながら印象的なシーンです。
しかし、どこにもP230は登場していなかった。そう…踊る大捜査線は、この銃とは無関係。
ドラマに感化されたとかでなく、完全に私のドストライクだった!というだけの銃。
しばらくして、それが警察の官給品として一部納入されている"日本警察の拳銃"と知りました。それまではシンプルにP230に一目惚れしていただけ。
私の勝手なイメージですが「真面目です!」と言わんばかりのピシッとしたデザインで、銃に人種を当てはめるならシグは日本人だ!というイメージが初見からずっとあります。
それは自衛隊や警察がシグの拳銃を使ってるという知識(先入観)が入るずっと前から…。
初めてシグのシリーズを見た時からの直感的イメージ。P220やP226も日本人のおっさんって感じに見えてました。
銃を全く知らない人にベレッタを見せて「どこの国の銃だと思う?」と聞くと「オシャレだしイタリアかなぁ?」という回答をされるのと同じ気がします。
今でも大好物のP230シリーズ。ゴソゴソ漁ったら4挺もありました。笑
初期型と言われるアーリーモデルは、アメリカへの輸入版である印の「インターアームズ」刻印が入っててカッコいい!
スライドやデコックレバー、分解レバーにも細かいセレーションがびっしり!
手間暇かかってるのがよくわかるけど、コストダウンしたP230のほうが滑り止め効果は高いです。もっとコストダウンしたP232は、もっと滑りにくい!笑
※P232はグリップがメロンにしか見えなくて苦手なので1挺もありません。買って即売りました。
当時の私は本気で警察官になりたいと考えていたくせに、絡まれてはケンカして…という学生にはあるまじき行動ばかり。
毎日のように職員室に呼び出されていたのですが、警察官になりたいという気持ちは本当にありました。
子どもの頃からずっとなりたかった職業の1つでしたが、想いが強くなったのにはキッカケがあります。
友達宅から帰ろうとした夜道で、路駐していた白い車(記憶ではヤン車仕様のクラウン)が目に入ります。
降りてきたチンピラ風の男2人に、突然エアガンでパチンパチンと撃たれ、「何も気付いてません」的な冷静を装ってシレッと団地の階段へと入って"帰宅した人"を装いました。
階段を登る私に向けて下(1階)から弾切れするまでパチンパチンとひたすら撃ってきてましたが、気付いてないフリを貫き通し…
弾切れした銃を手にケラケラ笑いながら車に戻ろうとした男が階段の隙間から見えたので、イラッとして思わずダッシュ。後ろから蹴り飛ばしました。
ちなみに彼らが銃を片手に車を降りてきた時「WAのハイキャパ」と瞬時にわかったあたり、天才…いや、変態ですね。
1人20発以上あるやん…とか考えてたの覚えてます。笑
しかし相手は20代くらいの男が2人。同年代とケンカする元気さがあっても、中学生では簡単に抑えつけられてしまいます。
もちろんボコボコにリンチされて、しぶしぶ帰宅。
やられっぱなしで帰ってくるな!見つけ出してやり返せ!と父親にも怒鳴られましたが、とりあえず犯人を見つけるために被害届けを出しに交番へ。
対応してくれた警察官は翌日から毎日、事件現場をパトロールしてくれていたのが印象的。
よく行く友達の家の側が事件現場だったために、パトロール中のその警察官とバッタリ何度も会いました。
そうやってバッタリ会うとわざわざ家まで30分、一緒に歩いて帰宅を見届けてくれる紳士っぷり。
この警察官に出会ったことで、私も警察官になって、人に安心感を与えたいと強く思うようになったわけです。
数十年後、公安委員会には繋がってはいるものの、警察ではなく探偵社をやってます。
今となっては警察組織の面倒臭さに、憧れの職ではなくなってしまいましたが、あの警官への感謝は今も忘れていません。
当時の憧れとは直接は繋がらないのかもしれませんが、私の中ではこのP230は"警察官の銃"としても非常に思い入れが強かったのは確か。
今もわりと日本警察の使う銃は好きで、最近だとM360J SAKURAを手に入れました。それは後々紹介させて頂きます。
SLというステンレスモデルも美しくてたまりません。あれはまさにきれいな女性のイメージです。
実銃もきれいですが、KSCはメッキがきれいなので、SLモデルがまた映える!
KSCさんのシルバーモデルって見ちゃうと買わずにはいられません。
女性が持ってたらマジで映えるので、奥さんにプレゼントしようか考えたこともありますが、やめました。引き出しに雑に入れられて、傷だらけになるビジョンが見えたので。笑
ガスブローバックとしての性能ですが、バカになりません。
これだけ小さいくせに、広場で撃ってみるとちゃんと飛んでいって、30m先の的にちゃんと当たります。
リコイルもサイズのわりにバシッと伝わってきて、結構いい感じ。元々の質量が小さいので、ABSとHWにあまり差を感じないのも特徴的ですね。
ただし、マガジンの小ささ故に冬場(外)は、温めても7〜8発で弱々しくなりました。
それでも、インドアなら普通に活躍できるレベルの銃です。多少バラつくので、精密射撃はちょっと無理かな。人質戦とか普通に人質撃つわ。
もっとも、実銃は現代でも通用するくらいの高精度なので、そのDNAは受け継いでいるのかもしれません。
木製グリップが似合うのに、品薄で貴重すぎて「これ商売になるんじゃね?」と木製加工を少し勉強中。笑
木製グリップ3種類集めるために2万円以上かかりました。傷つけなければ、売っても同じだけ回収できるので、リセールバリューは良いですね。
今も1日1回は触ってる?特別な思い入れのあるSIG P230の話でした。
探偵仲間の会社ブログで取り上げられていたオススメの記事。
【銃のサプレッサー】
サプレッサーの構造を紐解いた記事。
【廃れない回転式拳銃】
なぜリボルバーは消えないのか?という記事。
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マニアは知ってるあの隠し武器の話。