KSCのM945シリーズは素晴らしいの一言。
噂レベルですが「あまりにコストがかかるから生産終了した」と言われているモデル。
KSCのトイガン(GBBハンドガン)は全て所有してきましたが、個人的にはKSC史上最高レベルのモデルだったと感じています。
誰もが褒め称える「トリガープル」は、適当な実銃よりもハイクオリティ。
質感も非常によく、一切のガタが無い上、スライドを引いた時の滑らかさも完璧。
撃って遊ぶとしても結構な精度の高さでした。
多くの人が「ポンコツブローバック」評価ですが、はっきり言って先入観だと思います。
そりゃシステム7には勝てませんし、冷えるとポンコツと言えます。
しかし2005年頃のエンジンのわりに、充分すぎる作動性を見せてくれるし、ちゃんと見てみれば高性能だと感じました。
実際、IDPAシューターだった当時、M945コンパクトを愛用していました。
そしてトップシューターの面々でもM945シリーズを愛用している人もちらほら。
だからこそシューティング用のフルハウスモデル等が限定販売されたのだと思います。
そんなゴリ押しの気持ちはさておき、今回は限定品の「カスタムキャリー」をご紹介。
意外と特徴的なカスタム内容が盛り込まれており、ストレートセレーションとスケイルドセレーションの2種類が存在。
これが元気いっぱいにバシバシ動いてくれるので、めちゃくちゃ良い!
ノーマル仕様のシルバーモデルと見比べてみましょう。
スライドとフレームには「オーナメントライン」と呼ばれる5本(フレーム側は3本)の線が掘られています。
実銃のカスタムではよく使われるもので、名称の通りオシャレのための装飾。
エングレーブはやりすぎなんだよねーという時に程よいオシャレ感を演出できるのは良いですね!
チャンバーとリアサイトの間には軽量化のための肉抜き。
また上面にも線が引かれていますが、これはオーナメントというより反射防止グルーヴでしょう。
前方のガスポート部分のスリットも相まって、かなり軽量化されているスライド。
GBBでも結構スピーディーなブローバックを見せてくれますよ。
これまた実銃のカスタムでは頻繁に見かけるガスポートシステム。
上方向に発射ガスを抜くことで、銃口が跳ね上がるのを抑えようという仕組み。
発射ガスを途中で抜くからパワーダウンに繋がると懸念された時代もありましたが、大きなリコイル軽減を実現しているわりに、それほどエネルギーダウンしないことがわかり、オーソドックスなカスタム内容となりました。
ガスポートシステムのデメリットは、上部に吹き抜ける高温かつ高圧なガス。
これによる火傷や怪我はリスクが高く、射撃姿勢を選ぶのはそれなりに不便。
噴き上がる炎が派手で目立つので、人によってはそれもデメリットでしょう。
後方の援護役がガスポートカスタムしてたらどつくね!と斉藤さんが話していたこともありました。たしかにすぐ後ろで撃ってほしくない!笑
スケイルドセレーションのカスタムキャリーは前後ドットなしのボマーサイト。
結構上に跳ね上げた状態ですが、この個体はこれでゼロインショット。
グリップセフティはシェリフスのブルーイングカスタム。キャンセラーを取り付けたと思ってたけど、これはグリップセフティ効いてたので、キャンセル機能なしの普通仕様でした。
個人的にはスケイルドが好きで、でもサイトシステムは3ドットが良かったので、くっそ〜と思った部分。
スケイルドとストレートのカスタムキャリーで違うのは、このサイトシステムだけでした。
ストレートセレーションはM945のイメージではないため、あまり興味なし。
IDPAで愛用していた手前、M945シリーズを全部買っただけです。笑
海外在住の人達にも頼って、改めて実銃について調べ直しました。
M945が優秀なのは周知の通りなので、なにが優れているのか?を色々と。
まず基本情報として、M945はS&WのM4506をベースにしており、1911系列ではありません。
これはSW45オートのメリットと、1911のメリットを融合させたハイブリッドに仕上げるためだったと言われています。
あまり知られていないことなのですが、M945のショートリコイルは長めに設定されています。
バレルのロックが長いということは命中精度が格段に上がり、バレルが落ち始めるのが遅いということはリコイル軽減に貢献してくれる。
つまりはロックタイムの設計が高精度を叩き出した仕組み。通常の1911よりも30%もリコイル軽減を実現できたのも、こういうセッティングの成果だったのです。
心臓部でもあるマガジンもまたM4506の流用。
これはSW45オートの優れた設計で、チャンバーへの装填角度が1911とは全く異なるのです。
装填不良、排莢不良が起きにくいだけでなく、スムーズな作動にも大きく関わり、実は射手への負担を軽減してくれている重要なパーツ。
手動で空薬莢の装填、排莢を滞りなく行えるのは高精度な証なのですが、向こうではM645やM4506はそれが容易なことで有名だそうです。
もちろんM945はこれを引き継いでいるわけですね。
特徴的とも言えるブッシングリングは、あらゆる角度で臨機応変な保持能力を見せつけてくれるハイブリッドな仕組み。
これもまた高い命中精度を叩き出している理由の1つ。
バレルが、スライドに固定されている筒を前後運動する1911のブッシングよりも、微振動やリコイルの干渉を受けにくいというメリット。
これのセッティングが微妙にズレると、精度を大きく落とすそうですが、さすがはパフォーマンスセンターで完璧に組み込んでくれるらしいです。
では1911よりも優れているのか?と言えば、一概にそうは言えない部分もあるのが現実。
1911の最大の利点は、どんな環境下でも確実に撃てることでしょう。
M945においてはロックタイムの都合や、スフェリカルブッシングリングの設計上、泥まみれになったら他の銃同様に動かなくなるとも言われているそうです。
まぁ、戦場じゃない限り、そうそう泥まみれで撃たなきゃいけない場面なんてないわけですが(^^;;
後にSW1911シリーズが登場しましたが、M945のその弱点が囁かれ始めた頃だったそうで、タイミング的にあーだこーだと結局話題になっていたそう。現地にいる人ならではの情報ですね。
競技用レースガン、セルフディフェンス、コレクション、そういった類の銃であるため、軍用1911のような扱い方はしないわけですから、エンジニアも命中精度や扱いやすさに大きく振って開発したのでしょう。
精度の高さ、リコイルコントロールの優秀さ、それらを踏まえるとV12ガスポートシステムも現実味のあるカスタマイズです。
現実にこういったカスタマイズをしたM945があっても全く不思議じゃありません。
もはや入手困難ですが、オススメの限定モデルのご紹介でした。
探偵仲間の会社ブログで取り上げられていたオススメの記事。
【トイガンは護身用に使えるのか】
街中で銃を見た日本人の反応を検証。
【銃刀法の銃とは】
銃刀法の中の"銃"について取り上げた記事。
【銃のサプレッサー】
サプレッサーの構造を紐解いた記事。
【廃れない回転式拳銃】
なぜリボルバーは消えないのか?という記事。
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マニアは知ってるあの隠し武器の話。