探偵のピストル事情

表向きは探偵だけど、実はひみつの必殺仕事人…かも!?

IDPAシューティング

もはや20年ほど前の話なので記憶も曖昧な部分があったり、写真も無かったりするのですが、IDPAシューティングに参加していた時期があります。

 

それは大阪のカスタムショップに勤め、トイガンの修理を担当していた時のこと。そこでは月1でシューティングとサバゲーに参加しなきゃいけないルールがあったのです。

 

サバゲーなら中3〜高1までやってたので抵抗ありませんでしたが、シューティングはちょっと…。

でも仕事じゃやらざるを得ませんから、種目を選択してIDPAを担当することにしました。

 

世界1の称号を3回も獲得したマック堺さんのスチール・チャレンジは、私の性格的に合わなかったので、より戦術的なIDPAを選んだんです。

Cz75後期型 ブルーイング処理

CQBスタイルのIPSCだとか、精密射撃のAPSだとか色々ありますが、「普段の生活の中で突然応戦しなくてはならない」というコンセプトをもつIDPAはすごく魅力的でした。

 

メカメカしいtheレースガンではなく、普段携帯していることを前提に銃を選択するので、より実戦に近いもの。

 

元々は、犯罪者を取り締まる現場担当官や特殊部隊員のためのトレーニングプログラム。やがて民間人のディフェンストレーニングにも最適だと競技化されました。

 

そのため、海外でセルフディフェンス思考の強い人達がトレーニングに使う種目であり、日本ではあまり流行っていませんでした。

 

でも、これこそやっておきたいシューティングじゃないか!と思えたんです(^^) どうせやるなら、ためになるものが良かったので。

例えば、車を運転していたら武装した奴らに囲まれた!どうにか対応しなければ!みたいなシチュエーションのコースでは、運転席に座ってシートベルトをした状態からスタートします。

 

ブザーが鳴るのと同時に射撃を始めるのですが、撃つ順番や、どこから撃つのか、動きながら撃つのか静止して撃つのか、全ての判断は自由。

 

自分で考えながら、どのようにゴール(脱出地点)まで辿り着くのかを選択できるのは最大の利点。

 

他のスタッフは「俺は自分で決めるの苦手なのかも」と苦戦してました。なるほど、たしかに自分で考えて自分で決めるのが苦手な人は、ちょっと嫌かもしれない…。

ハンドガンだけの応戦とは限りません。アサルトライフルSMGサブマシンガン)、ショットガンなどを使ったコースもあります。

 

車のトランクや後部座席に置いてある長物を回収して撃つパターンや、コース途中で回収ポイントがあってそれを使う選択肢もアリというもの。

Para-Ordnance "HRT special"

遮蔽物からの自分の露出度や、ターゲットのどこに命中しているのか?その具合によっては減点となるので、適当に撃って進むことはできません。

 

つまり適当にやれば点数もそれなり。

なるべく早く、でもちゃんと撃たれないように身を隠しつつ、敵を確実に仕留めながらゴールする。これがIDPAの基本となります。

 

ちなみにコースによっては人質をとっているターゲットも現れますので、FBIのHRT人質救出部隊ばりにサクッとターゲットを撃ち抜かないと時間を取られちゃいます。

 

いいよ、人質ごと撃っちまえ!という私みたいな性格悪いタイプは、プレッシャーも少ないためにサクッとクリアできちゃうステージ。笑

 

人質に当てちゃダメだ!と考えたら撃てなくなるから、当ててもいいやくらいに考えちゃえば案外いけるものですよ。笑

M4 MAGPUL "LVOA" Stealth custom

ずっとコンパクト系が好きだったのでM4でもBLOCK-1以上のサイズを使用したことがありませんでした。

 

ところがIDPAでロングライフルのメリットを見せつけられ、考え方を改めさせられる出来事も。

 

ある程度の距離になるとロングバレルの安定性はとても優秀で、スパンスパンと狙った位置に吸い込まれます。ショートバレルではバラつくような距離でも、まとまった穴が空いているし。

 

これはサバゲーをやる人もよく知っていることでしょう。電動ガンではそこまで差がないと聞きますが、実銃に近いガスガンではその差は顕著で、精度を求めるならやっぱりロングは安心感があるんだなと気付かされました。

S&W performance center M945

レースガン系の拳銃はやっぱり優秀で、トリガーのキレの良さとストロークの短さによって、速射性能は格段に上がります。

 

要するに、1つのターゲットに対して瞬時に2発3発と撃ち込む際には、確実に時間短縮となりました。

 

実弾射撃の場合、反動の大きさによっては速射できない場合もあります。あるいは速射しても当たらないなんてことも。

 

ただし至近距離で素早く連射して撃ち込む時にはかなり有利となるので、やっぱりトリガーのクオリティは無視できません。

GLOCK 19 SAI custom

構えて、狙って…という余裕がある場面では銃はどれでも良いと思いますが、瞬間的に撃って狙い通りに当てるとなると、正直、相性が大きく関わってくることも学びました。

 

例えば目をつむって構えたとします。そのまま目をあけた時、サイトがピタリと合っていれば、それは相性抜群。何も意識せずにターゲットに向けてパッと構えた時に、サイトがピッタリな時も同じです。

 

それなら自分の腕と一体感というような状態に近いため、とっさに撃った時でも狙い通り当てることができちゃいます。

 

ところが銃はそれぞれグリップ角度が違うため、とっさとなるとこれは合わない…なんて銃がちらほら。

 

自分の場合、グロックはダメダメ。少し上向きの状態になってしまい、ターゲットの上を撃ってしまうような感じになるのですが、これは20年経った今でも変わりません。

Blowning HI-power MkⅢ

反対に1911系やブローニングハイパワーは違和感なくピッタリ狙える銃達。単純に慣れなのか、体質的なものなのかは不明です。

 

ブローニングハイパワーに至ってはトリガーリーチも完璧で、これ以上ピッタリな銃は存在しないのでは?というくらい、手に吸い付くようなグリッピング

 

SIG P230やM84Fなんかもピッタリなのですが、このあたりは昔から触れていたこともあり、だからこそ"慣れ"なのかな?とも考えさせられます。

 

でもグロックは20年経っても慣れないんですよ。慣れだけで変わるのなら、ずっと使ってればグロック癖になるんじゃないか?と1年半くらい写真のグロックしか撃たないという実験をしたんですけど、結局は何も考えずに構えるとズレてました。慣れないんですねぇー。

QRF mod.1

好きで眺めるだけだと、考える場面もなく気付かないことばかり。しかしシューティングで自分を追い込んで、銃を道具として使う時には全く違った見方になります。

 

シューティングは自分との戦いがメインですが、サバゲーは戦場同様に運や人数、地理など色々なファクターがからむので、また少し違うのかもしれないけど、銃の選び方としてはおおよそは同じでしょう。

だからリアリティ派の人でさえ、リアルからは離れた電動ガンを選ぶのでしょうし。

 

めっちゃカッコいい!と冬用で購入したQRFは次男のお気に入り。小学校低学年の体ではストックを収納した状態でちょうど良く構えられるし、子ども用の銃より飛ぶ&当たるしで、次男に独占されちゃいます(^^;) 自分が使うタイミングがないくらい。

H&K MP7A1

日常生活で巻き込まれてしまうという想定のIDPAには、銃のサイズや装弾数についてかなり考えさせられました。

 

シングルカアラムだと、逃げられる場面でのみ時間稼ぎはできるけど、戦って脱出しなければならないとなれば、こんなに頼りないのか!と思い知らされましたし。笑

 

どんなことでもやってみると何かしらの学びがあるものです。日本ではシューティングといったら遊びでしかないけど、意外と深いので体験してみても面白いかもしれませんよ。

※ルール等、現在は多少変わっていたりするかもしれません。

 

 

 

探偵仲間の会社ブログで取り上げられていたオススメの記事。

 

トイガンは護身用に使えるのか】

https://ivy-tantei.jp/4288

街中で銃を見た日本人の反応を検証。

 

【銃刀法の銃とは】

https://ivy-tantei.jp/4286

銃刀法の中の"銃"について取り上げた記事。

 

【銃のサプレッサー】

https://ivy-tantei.jp/2132

サプレッサーの構造を紐解いた記事。

 

【廃れない回転式拳銃】

https://ivy-tantei.jp/2619

なぜリボルバーは消えないのか?という記事。

 

【面白い武器】

https://ivy-tantei.jp/3865

マニアは知ってるあの隠し武器の話。