時々、予想を裏切ってツボってしまう銃ってありませんか?
本気で大好きなオートマは?と聞かれたらP230やブローニングHPなんですが、それ以外って何かしら気に入らないところがあったりします。
サイズ感だったり、握りにくさだったり。
トイガンなら、おもちゃっぽさだったり、リコイル不足だったり。
実弾射撃ですっかりブローニングハイパワーの虜になってしまったので、FNハースタルの銃は結構興味があります。
ブローニングHPってトリガーフィーリングを揶揄されることが多いですが、くたびれた中古品だったり、頭でっかちな評論的意見でしかありません。
高価なのにも関わらず2018年まで製造され続け、ずっとプロアマ関係なく愛用者がいたのが何よりの答え。
M&Pシリーズも当初は揶揄されていましたが「現場で使ったらめちゃくちゃええやん!」ってなったのと同じこと。
使うとなったら全く別の見解となるのは当然のことなんですよねー。
東京マルイのFNX-45を借りた時は結構な好印象でした。
デカいし、こんなの携帯するなんてアメリカンな巨漢じゃなきゃありえないっしょ、という印象だけど、銃としては素晴らしかった。
そのうちFNS-9にも興味が湧いてきました。
ストライカー方式のオートマってあまり好みじゃないし、デザインもうーん…だったから、あまり期待はしてないまま購入。
いつもみたいに、ちょっと試してみて売却しちゃおう!くらいの感覚で手にしたのがこれ。
手に取った時の第一印象は「意外と小さい」ということ。次に「意外とスリムで握りやすい」と好感度が上がり始めます。
あまり見かけないし、そんなに人気がないと聞くEMG(cybergun)のFNS-9。
とりあえず部屋撃ちしてみると…これ、なんでウケてないの?と疑問に思うくらい元気にバシッ!と強いキックが伝わってきて驚きます。
VFC/UMAREX(cybergun)のVP9みたいに冷えに弱いのかな?と思ったけど、あっちよりはマシでしたし、充分すぎる作動。
VP9はリコイルは重いけど少しもっさりなイメージ。FNS-9はスピーディーで、重めにバシッと伝わってくる感じ。
実銃のリコイルに近いのって、スピードがあるほうだといつも感じているので、こちらのほうが似た感覚だと思います。撃っててマジで楽しい銃!
マルイさんとかはスピーディーだけど軽いリコイル。あれはちょっとおもちゃ感が拭えなくて、どうも好きになれません。あくまで重みもあって、スピーディーじゃなきゃ再現度は低い。
全体的に気に入ってしまったのですが、ビジュアル面での理由はサイズ感。
FNX-45のイメージがあったせいか、やたら小さく感じます。
いや、実際グロック19Xと同じくらいのサイズで小さいほう。
常にEDC(Every Day Carry)を銃にも求めているので、現実的な携帯性がかなり好印象。
スライド上部もすっきりしていて、細身。
グロックのボテっとしたスライド上面と違って、かなりスリムに見えます。
段がついてるから実際は多分同じくらいの厚みがあるはずなんですが、このスリムに見えるところが個人的にグッときました。
いわゆるセミコンパクトと呼ばれるサイズ感で、スタイリッシュな感じがプロっぽさも感じさせます。
チェッカリングも程よく食い込み、痛くないのにホールド感はバッチリ。
グロックなんて手汗かいたら滑りますし、USPなんて思いっきり握ると痛い。
こればかりは触れて感じてもらう他ありませんが、とにかく絶妙な具合のチェッカリングで、なおかつ細身のグリップ。
バックストラップは2パターンで、こちらはストレートタイプ。
こちらはラージ(アーチタイプ)で膨らみがあるほうのバックストラップ。
実弾射撃を想定するなら、どちらかというとこちらのほうがホールド感があって安心。
大きすぎるなんてこともなく、手の窪みにぴったり張り付くようなイメージ。
サイズ違いというよりはタイプ違いという感じでしょうか。
独特なトリガーは幅も厚みもあり、真ん中で折れるタイプのトリガーセフティー。
M&P-9と同じような仕組みですが、トリガーを絞る時にはこちらのほうが圧倒的に違和感を感じません。
理由は多分、カーブの強さだとは思いますが、精密射撃でもスピードショットでもこっちのほうが撃ちやすいと感じました。
マガジンキャッチは左右から押し込める便利な仕組み。
どちらから押してもちゃんとマガジンを抜けるのですが、噛み合わせがイマイチで、抜く時に引っかかりを感じます。
組み替えずに両側使用できるのは素晴らしいけど、スムーズじゃないのが欠点。
とはいえ、しばらく使ってたらアタリが取れたのかスムーズに。
アンビのスライドストップは左右どちらでもスムーズに解除できます。
一応アンビだけど、右での解除は引っかかりを感じる…みたいな銃、結構ありますけど、これはどっちもスムーズ。
ただしスライドストップの前後にあるガイドみたいな突起が邪魔で、慣れないとリリースしにくいかもしれません。
押し下げる時にガイドが邪魔で、スムーズに解除できなかったことが何度か。
エキストラクターはライブ。
スライド閉鎖時に「装填」を示す赤いインジゲーターが起き上がり、オープン時は引っ込みます。
あくまでダミーなので、装填してなくてもスライドを閉鎖すれば赤いインジゲーターが顔を出すのは仕方ない。
引っ込みも甘いけど、許容範囲。
これ、結構ポイント高いギミックだと感じました。素晴らしいです。
エジェクションポートからでもはっきりわかる突起は、多分チェンバー外装が摩擦で剥げていくのを防止するためなんでしょう。
剥げて良いから、この突起は嫌だ!
ここだけが個人的にデメリットに感じた部分。
なにこの段差?みたいに気になって仕方ない
マガジン底部に注入バルブが見えると萎えてしまいますが、これはSIG P320と同じギミックで、放出バルブのすぐ下に注入口があるタイプ。
もう全部こうしてほしい!
FNの刻印も入ってて素晴らしいマガジン底部。
独特なスライド形状に、9mm、FNS-9、そしてFNの刻印。
なんだこれ?っていうスライドデザインですが、いざスライドを引いてみるとめちゃくちゃ良かった。
フロントセレーションのほうでスライドを引いても引きやすいし、このデザインは考え尽くされたものだと感じます。
右側はMADE IN USA、FNH USA Fredericksburg VAと生産国と生産地の刻印。
オープン状態にすると、ライセンス生産である記載がスライド内側に見えます。
国産某メーカーみたいに「うち、ライセンス生産してっから!!」みたいな自己主張ばかりで雰囲気壊す無神経さはありません。
20mmアンダーレールのところにシリアルナンバープレートが埋め込まれていて、実際に個々で番号が違うようでした。
わりと細めで面長なマズルフェイス。
なんといって良いかわかりませんが、無駄なスペースがないと感じるスリムさや、スプリングガイドのシンプルさなど、悪くない。
インナーバレルはめちゃくちゃ目立ってたので黒く染めてます。
サイトシステムは3ドットなんですが、ドットのサイズもきちんと計算されているようで、かなりエイムしやすいのが印象的でした。
めっちゃ見やすい、ストレスなく狙いやすい。だから射撃に集中できる。
IDPAでも基礎中の基礎として「直感的に狙えるサイトシステムを選べ!」というものがあります。
ほんの少しでも見にくいと、そのぶん気が分散して能力を出しきれません。見やすいのはめちゃくちゃ重要なので、これは自分には合ってました。
あまり細かいことは気にしないし、実銃でもこんなの時々あるのですが、一応記載。
リアサイト、フロントサイトはスライドに密着しておらず、よーく見ると若干浮いてます。
大事なのは当たるかどうかなので、ズレていなければ関係ないことなんだけど、神経質な人は多分気になるだろうところ。
そもそも実銃ではサイト調整は業者に依頼して機械でやるもの。精密な部分ですが、前述した通り「当たれば良い」ので、しっかり固定されてるなら浮きなんて問題になりません。
向こうで銃を携帯するなら、これでも良いかも!と思ったくらい、サイズ感など色々としっくりきたモデルでした。
ブローニングハイパワーの他にFNで好きな銃は無かったけど、これは完全に仲間入りですね。ブローニングのように大好きには分類されませんが、選択肢としては有力候補。
トイガンではビジュアル、リコイル共に素晴らしい!!
影の存在って感じで国内ではイマイチ知られてませんが、めちゃくちゃ良かったので、一度手に取ってみてください。
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