かなり昔の話ですが、たまたま入手した銃が手放せなくなりました。
当時「そんな変なのいらない」とも思ったけど、好奇心が勝って購入。
すぐに手放すと思ってたのに、全く手放せなくなっちゃった…という不思議な魅力がある銃です。
この箱を見て「あー、アレね!」とわかっちゃう人は、古参のマニアか、本物のマニアでしょう。笑
当時はこんな贅沢なケースで販売されていたんですね。
自分が銃に目覚めたのは1997年でしたから、それよりも5年も前に発売された銃です。
H&KのP7M13をベースに、ガンスミス"アンドレアス・シューマッハ"がコンプカスタムしたモデルなんだそうです。
いや、マジで変態すぎる珍銃なんですが、これが一度触れたら取り憑かれる品。
第一印象はクソだせぇ。触れた瞬間めちゃくちゃ面白い。しばらく遊んでると意外と好きになってしまうという、魔力を持つ銃。笑
まさに原点とも言えるくらいの古いGBBなんですよ。
買った時がこの状態だったので、木製グリップをノーマルグリップに戻して紹介致します。
コンペセイターは金属製、本体はHW樹脂で、グリップ前面のスクイズコッカーやトリガーなどは金属製。
かなり太ってるデブちんな銃という印象で、握れるのか?と不安になるグリップ。
意外と握れるものですが、そもそも自分は手が大きいほうだと思うので、手が小さい人は厳しいかもしれません。
刻印も素晴らしいけど、質感が本当にすごい。
これ、トイガンですよね?というくらい、細かなところまでよく出来ているんです。
トリガーガードに設けられたヒートシールドも微妙に質感の違いを持たせて再現されているほど細かい!
スライドのヘアラインさえもちゃんと再現されているし、これが天下のMGCの実力か…と感服しました。
入手当時はまだまだ初心者だったけど、この質感の良さには「他と違う」と感じさせられたのをよく覚えてます。
エキストラクターは別パーツです。
最近でも相変わらず別パーツ化しないメーカーもあるというのに、ここまできちんと作り込んでる。
しかも質感の差もきちんと再現されているのは、さすが…。
内部構造まで実銃に寄せて作る最近のトイガンとは違い、あくまでガスガンとしての設計。
分解方法も実銃とは全く異なるし、バラすなら最近のほうがやっぱり優秀。
そもそもガスガンがデビューした頃の銃なので、そこは仕方ない。
東京マルイのエアコッキングガンではインジゲーターも再現してありましたが、こちらはモールド。
あのエアコックP7も、3,000円でここまで作るの!?と驚かされた思い出があります。
そして今も所有してますよ。
P7シリーズ最大の特徴であるスクイズコッカー。
スチール製で滑り止め加工やサイドポリッシュなど、かなり質感が高い部分。
グリップセフティとしても機能してますが、1911シリーズみたいにヌメッと握り込むのと違い、カチッとスッキリした引っ込み方をします。
そして何が素敵って、ホールドオープンを解除するリリースレバーの代わりにもなってること。
全弾撃ち切ってオープンしたスライドを戻す時、グリップを握り直す動作をするとリリースされます。
この動作が他の銃には全く無いので、中毒的にクセになるポイントでもあるのです!
ものすごく気持ちよく、カチッと解除されてシャキンッと戻るのがたまらない…。
木グリを取り外す際に撮影しておきました。
左側面の内部はこんな感じで、マグキャッチレバーの脇にあるパーツはプラプラしてます。
右側面のグリップ内部。
グリップを外すだけで正常に作動しなくなると言われているMGCのP7ですが、最初の頃は実際に正常作動しなくなりました。
木グリ換装した時も、調整がなかなか大変でしたね(・・;)笑
グリップ左側面の、マグキャッチレバー脇のアイツ。
プラプラしやがって…というアレが、うまく可動する位置にハマりにくいんです。
この写真の位置にすれば問題ありませんので、参考になればと撮影しました。
この滑り止めのシボ加工の再現度…マジかよ、すげぇ…と未だに思います。
こんなコストのかかる加工と、再現できてしまう技術力。
MGCはよほど有能なエンジニアが集まっていたのでしょう。
その人達がKSCに流れ、やがて東京マルイにも流れていったわけですね。
実銃では分解に使うパーツのようですが、トイガンではこれがセフティになっています。
切り欠きを真下に向くように回転させるとセフティONとなり、写真の状態でOFF。
コンペセイターもよく出来ています。
単銃身なのでコンプ付きでバランスが丁度良いと感じるのはP7ならでは。
ノーマルではフロントサイトが入る溝ですが、専用のパーツで塞いでるところまできっちり再現。
本当にこの銃は細かなところまで気を抜かない素晴らしい出来栄え。
ノーマルとシューマッハカスタムを上から見た感じです。
ノーマルはコンパクトピストルに分類されるくらい短いスライド。
シューマッハカスタムでようやくフルサイズ感が出てきます。
マガジンの造形も素晴らしいの一言ですが、シューマッハとノーマルでは別のマガジンになってます。
左のメタリックなほうがシューマッハ。
ノーマルはマット仕上げでグレーがかっています。
何がすごいって、未だにガス漏れしてないことです。
この当時って多分いい素材ばかり使えた時代のはずですから、パッキン類の質も今とは全く違うんでしょう。
車や機械も90年代のものは長持ちするので、今より質が良いんです。
どの業界も00年頃からコストダウンが始まり、どんどん質が落ちていくという面白い歴史を学んだことがありました。
実銃は構造的に連続射撃を行うと熱を発散できず、フレーム側にも熱がいってしまうらしいです。
そのため、トリガーガードにはヒートシールドと呼ばれるパーツが追加され、射手を守ってくれてるわけですが、この質感…いやぁ、ほんと良いわぁー。笑
木製グリップは実銃用だったかトイガン用だったかは覚えてませんが、かなり珍しいと思います。
探していたわけではないけど、入手するまで10年以上の期間はあったし、未だに滅多に見かけません。
今まで2〜3回しか見てない気がする。
木グリにした瞬間、本当にいっぱいいっぱいと感じるくらいの太さに変貌。
もはや日本人じゃこれを余裕で握れる人いないんじゃないかな?というくらい。
見た目は良いけど、そんな理由から基本は取り外してしまってます。笑
このクオリティで2万円はかなり安いと感じますが、当時の時価はまた違うだろうから、実際は良い値段だったのかもしれません。
時代を感じるチラシですが、多分これも貴重。
パーツリストはあるけど、さすがにパーツの流通はないでしょう。
修理したい時はジャンク品を入手して移植しかないかなぁ…。
構造がやっぱりトイガン独自のもの。
とはいえ、それで動かせて、形も同じにできるという技術がそもそもすごい!
メンテナンス方法も今とは違います。
そもそも付属のガスはメンテナンス成分入りで…というところも面白い!
こちらはノーマルのほう。
箱は子ども達に割られてしまい、処分しました(・・;)
基本的にはシューマッハと同じ。
取説だけでも欲しがる人いそうだなぁ。
驚きなのは初期のガスブローバックのわりに、強烈なリコイルショックを味わえること。
JACのブローニングといい、もしかしたら強度の問題で時代と共にリコイルを小さくしていったのかな…。
命中率や飛距離についてはポンコツです。
質感の良さや独特な操作、強烈なブローバックなど、どちらかというとお座敷コレクションにはオススメの品。
完動品は珍しいためか2万円前後が今の相場のようですが、たまに安く出品している人もいます。
箱や取説があると3万近いみたいだし、木グリ付けたら4万くらいいけるのかな?
ちょっと試したくなってきた!笑
探偵仲間の会社ブログで取り上げられていたオススメの記事。
【トイガンは護身用に使えるのか】
街中で銃を見た日本人の反応を検証。
【銃刀法の銃とは】
銃刀法の中の"銃"について取り上げた記事。
【銃のサプレッサー】
サプレッサーの構造を紐解いた記事。
【廃れない回転式拳銃】
なぜリボルバーは消えないのか?という記事。
【面白い武器】
マニアは知ってるあの隠し武器の話。